大学院留学最初のセメスター その7

2013-11-11

CATEGORIES 大学院留学最初のセメスターby.Katsurayama0 Comments

2011年8月30日から9月30日まで6回に渡り「大学院留学最初のセメスター」として、留学当初、私自身が経験した苦労についてのブログ記事を書きました。

 

カテゴリー:大学院留学最初のセメスター


今回の投稿は、今夏に大学院留学を開始されたウェブトフル元受講生のTさんからいただいたご相談に対しての回答になります。

ご相談自体が「大学院留学最初のセメスター」の一連の投稿を踏まえてのものだったので、今回「その7」とすることにしました。

また回答の内容は、Tさんに対してだけではなく、Tさんと同様に苦労している留学を開始したばかりの方々、また将来留学をする方々へのアドバイスになります。

 

Tさん、ご相談メール文面のブログ掲載へ快諾いただき、ありがとうございます。

Tさんには「匿名でなくてもよい」というお言葉までいただいたのですが、このブログ方針に従い、これまで同様、お名前・学校名は匿名での掲載となります。

以下、Tさんからいただいたご相談メールの文面です。

 

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今年の7月から米国〇〇州の〇〇大学に〇〇の大学院生として留学している T です。

さて、先生にご相談なのですが、

プログラムが7月から始まって、4ヶ月ほどたちましたが、以前辛い日々が続いています。

先生の初めてのセメスターの記事も読ませていただきましたし、選択と集中もわかっているつもりですが、とはいえ現実はなかなかハードです。

2週ほど前に20分ほどのプレゼンテーションを20人ほどの学生の前でして、よく出来ていると褒められたり、以前は10%ほどしかわからなかった授業が今は40%ほどわかったりと、少しですが進歩は感じています。

しかし、授業で突然当てられたりすると、全くアドリブが効きません。いまのところ、私の発言のすべてには原稿が必要なのです。原稿抜きで、自分の言葉で、人の目を見ながら、論文のsummaryなどを話したいのですが、如何せんそれが出来ません。

論文も、読んだ時点ではわかっているつもりなのですが、それについて翌週のクラスでディスカッションとなると、ほぼ論文の内容が頭に残っていないことに驚きます。

日本語であれば、何か文章を読んだ後に、それをそのまま復唱し、要約することも可能ですが、英語では読んで意味はわかっても、それをそのまま復唱し要約することは出来ない、という所に、この知識の残らなさは起因していると感じています。

いまだに授業中はほとんど黙ったままですし、言いたいことを言おうと思ったタイミングでは、議題が既にほかのものに移っていたりしてフラストレーションのたまる毎日です。

自分なりの解決策として、先生を捕まえて、”what I learned this week” を英語で説明してフィードバックをもらおうかと考えています。

最近自分の英語の成長曲線に自信がありませんので、また葛山先生からなにかお言葉をかけていただけないかと思いmailしました。英語のみならず、英語で学習するというのはなかなかハードルが高いです。

 

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いただいたご相談で、Tさんは

① 以前は10%ほどしかわからなかった授業が今は40%ほどわかったりと、少しですが進歩は感じています。

② しかし、授業で突然当てられたりすると、全くアドリブが効きません。いまのところ、私の発言のすべてには原稿が必要なのです。

③ 論文も、読んだ時点ではわかっているつもりなのですが、それについて翌週のクラスでディスカッションとなると、ほぼ論文の内容が頭に残っていないことに驚きます。

④いまだに授業中はほとんど黙ったままですし、言いたいことを言おうと思ったタイミングでは、議題が既にほかのものに移っていたりしてフラストレーションのたまる毎日です。

⑤ 英語のみならず、英語で学習するというのはなかなかハードルが高いで

という点で苦労しているおっしゃっています。

 

① 以前は10%ほどしかわからなかった授業が今は40%ほどわかったりと、少しですが進歩は感じています。

「当初授業が10%くらいしか分からなかった」という現実は、留学という目標を叶えるために現在TOEFLへの取り組みに日夜頑張っている皆さんには、自らの将来への恐ろしい予告のように聞こえるかもしれません。

しかし最初の頃、授業がほとんど理解できないという状況は、驚くべきことではありません。

特に、初回の授業は理解しくいことが多いと言えます。

教授やクラスメートが話す英語にまだ慣れていない。

初回なので、課題に基づいた話にならず、予備知識がない話になりがち。

理解が浅いと、聞き取れたわずかな表現から、分からなかったところを解読しようとします。

「さっき、教授は何を言っていたんだろう」と考えていると、その後の内容の理解に集中できなくなります。

しかしその後の授業は、その日のクラスへの課題に基づいて話が展開されるようになっていくので、以前よりも理解度は上がります。

先生やクラスメートの英語にもいくらか慣れてくるでしょう。

だからと言って、授業で話されてることのほどんどがすぐに理解できるようになるわけではありません。

Tさんは「今は40%ほどわかったりと、少しですが進歩は感じています」とおっしゃっています。

留学開始時の英語力、留学中での英語への取り組みは人によって異なるものの、聞き取り理解する力、話す力は少しずつ向上していきます。

 

② しかし、授業で突然当てられたりすると、全くアドリブが効きません。いまのところ、私の発言のすべてには原稿が必要なのです。

④いまだに授業中はほとんど黙ったままですし、言いたいことを言おうと思ったタイミングでは、議題が既にほかのものに移っていたりしてフラストレーションのたまる毎日です。

特にTOEFL対策前に英語をほとんど使わなかったという方は、留学開始直後、このような経験をされるはずです。

まずは、原稿を作成し、その原稿を見ないでちゃんと発言できるようにすることが大切です。

その過程の中で、表現力を蓄積していけば、アドリブでの発言の助けになります。

また、日常生活においてアドリブでの発言が求められる友人等との会話の時間を徐々に増やしていくことも大切です。

留学が始まったばかりの時期は、課題に取り組むのにも時間がかかり、生活に余裕がないかもしれませんが、友人やクラスメートと一緒に過ごしたり、話をする時間を増やすことによって、自分の言いたいことを英語で話すことにより慣れてきます。

 

③ 論文も、読んだ時点ではわかっているつもりなのですが、それについて翌週のクラスでディスカッションとなると、ほぼ論文の内容が頭に残っていないことに驚きます。

日本語でも、読んだ論文の理解が浅い場合は、少し時間が経つと「どのような内容であったか覚えてない」または「なんとなく覚えているものの、論文の内容に基づいて話せることはない」という状態になりがちです。

英語力だけの問題ではなく、専門分野への知識が足りなかったり、準備の仕方がよくない部分もあるかもしれません。

私からのお勧めは

授業での自分の発言を意識して論文を読む。具体的には

  • 論文とは異なる自分の意見
  • 論文には書かれていないような自分が経験した状況や日本の環境
  • 論文に対して疑問を感じるところ
  • 論文の主張に基づいて自分が何をすべきか

を論文に書き込んだり、ノートにまとめる。

また「なぜ教授はこの論文を読ませたいと思ったのか」を考えながら読み、その論文において重要と思われる部分をチェックしましょう。

「教授がこの論文を選んだ理由」は非常に大切で、授業では必ずその点に触れるはずです。

理由を当てられる確率が高まると、授業での展開が予測できるようになり、ポイントを押さえた準備ができるようになります。

 

⑤ 英語のみならず、英語で学習するというのはなかなかハードルが高いです。

確かに、同じ本を英語で書かれたもの、日本語で書かれたもの両方を読んだとしたら、英語の本の方が理解度は下がるでしょう。

そこにもどかしさを覚えるのも当然です。

とは言っても「英語の文献を読み、英語でディスカッションできる」ようになりたいからこそ、留学の道を選んだはずです。

英語で学習する困難に直面しながらも、英語力を向上させる機会を持ち続ければ、着実に「よりできる」ようになります。

理解度が下がるのはしょうがないと割り切り、毎回の課題への取り組みにベストを尽くしましょう。

 

> 自分なりの解決策として、先生を捕まえて、”what I learned this week” を英語で説明してフィードバックをもらおうかと考えています。

というTさんとの解決策に対して、私はTさんにメールで以下のような回答をしていました。

> これが行えれば非常にいいのですが、付き合ってくれるかは先生次第でしょう。
> (毎週30分くらいは先生の時間を取ることになるでしょうし)
> またこれを行うならば、毎週きちんと準備しなければなりません。
> 毎週、先生にまとめを伝えるのは、かなりな負担になるかもしれないと危惧します。
> このようなことは、できればクラスメートと行えればいいのですが。

 

しかしTさんは私の回答を受け取る前に、すでに1人の教授にお願いをし、快く引き受けてくださったそうです。
またオンライン英会話でTさんの専門に通じている先生を見つけ、その先生に何を授業で何を学んだか説明することを始めたとのことです。

Tさんは相談をされながらも、自ら解決策を見つけようとし、どんどん手を打っています。
このような方は間違いなく、着実に成長してきます。


留学は過酷な試練にもなります。
留学を開始して、ついていけない自分に対して絶望を感じた時には、是非、問題を少しでも解決するために何ができるかを考え、そこでの結論を行動に移して下さい。

 

すぐにすべてが解決されることはありません。
しかしそのような負荷の高い、厳しい環境だからこそ、自分がこれまで持っていなかった大きな武器を身に付けられるチャンスになります。
自分の成長をポジティブに評価しながら、厳しい環境を生き残って下さい。

 

やるだけのことをやりながら、1セメスターを耐えましょう。
1学期が終わった時に、学期が始まったばかりのころの自分と比べるとひとまわり成長した自分を見つけられるはずです。

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