TOEFL Listening 学習法について:1文1文が聞こえるようになればListeningスコアは上がるか?

2019-04-17

CATEGORIES Listening対策by.Katsurayama0 Comments

Listeningコース受講生の方から

 

「コース受講前に、多くのTPO(TOEFL Practice Online:公式模擬試験問題)に対して以下のListening学習法を実践したが、Listeningスコアが伸びなかった」

 

というご相談をいただきました。
その取り組み方は、大まかには以下の内容。

 

まずは問題を解き、答え合わせをする。
その後、1文ずつ、センテンスを見ながら聞き取れているかを確認
聞き取れていないところは数回聞いたのち、その文をスクリプトを見ずにシャドウイングできるようにする。
全ての文に対してこの作業を行い、問題に対するListeningの取り組みは終了。

 

その後、全体を2-3回通しで聞くことはあったが、問題全体の表現すべてが聞き取れ、意味がわかる状態になっているかを丁寧に確認することはなかった。
問題全体をシャドウイングすることはなかった。
スクリプトを見ながらのリピーティングや音読をすることはなかった。

 

初めに断っておきますが、私は上記のListeningの取り組み方を「スコアがあまり伸びなかった」という理由で、そのような学習法は「効果がない」と言うつもりはありません。

 

「ある学習法が誰にとっても効果的で、他の学習法は皆にとってダメ」ということはないのです。

 

よくスポーツにおいて「ある練習方法である選手が劇的な成果を出した!」ことが取り上げられますが、ではその練習方法によりチームメイトの他の選手たちも大幅に成長したかというと必ずしもそうでなかったり、また劇的な成果を出した選手がその後ずっと同じ練習方法でどんどん伸びていくというのはあまりなかったりします。
(一流のスポーツ選手がトレーニング方法やスタイルを変えるのはよくあることですね)

 

その人の実力の段階や目標、学習時間、教材問題の難易度、過去の取り組み方において、どのような学習法・勉強法がより効果的かは変わっていくものですし、また「1回の試験で十分な成果が出なかったから取り組み方が良くなかった」とは言えないものです。
特にスコアアップにつながらなかったとしても、ご自身がListening力の向上を実感されているのであれば、後に成果として現れるはずです。

 

と前置きが長くなったところで、本題に入りましょう。
学習法の良し悪しに関しては簡単には言えないものの、受講生の方からお知らせいただいたListening問題への取り組み方で私が「問題があるかもしれない」と考えるところを挙げます。

 

1文1文を聞き取れる、理解できるようになることは大切です。
ディクテーションなどにより1文の聞き取りにこだわった学習をされる方もいらっしゃいますね。

 

しかし、1文ずつが聞き取れれば、話全体が理解できるわけではありません。

 

まずディクテーションで考えましょう。
1文を聞いて、その1文を書き取るのが普通のやり方ですね。
ディクテーションの場合、聞いた文を頭の中で再現して書きます。
その作業では、1文を聞いた後にそれなりの間(ま)があり、その間の中での内容理解が可能です。

 

ですが、実際のListeningでは1文の理解の後にすぐ別の文が続きます。
頭の中で「今何って言っていた?」と考えていると、次の文の理解が浅くなってしまいます。
よって「1文ずつがディクテーションできるなら、全体が聞き取れる」とは限らないのです。

 

ご相談いただいた方は「1文ずつシャドウイングできるようにする」ということでした。
この場合、1文においてはスピードに追いつくようにしていると言えます。
ただ気になるのは「シャドウイングしながら、意味を完全に理解できているか」。
シャドウイングを行うときは「意味を理解しながら」できているかを意識しましょう。
なんとなく表現が取れてついていっても、意味理解が浅いままだとListening力は伸びにくいです。

 

続いて1文単位だと何回か聞いたら、その文のシャドウイングは、例えば、TOEFLのListeningが20点未満の方でもかなりできるようになりやすいかと考えます。
1文だけに集中すれば、そこでの音声に慣れるのはさほど難しくはないので。
もちろん、この作業を通して音声やスピードへの慣れを養うことはできます。
とは言え、何回か聞いて、表現の音声が短期記憶に残っているからシャドウイングできるだけで、表現自体に十分に慣れていない恐れがあります。

 

例えば友達の電話番号を聞いたとして、番号はその場では繰り返せるものの、1分も経ったら忘れてしまいますよね。
またお坊さんが唱えているお経を1文(?)ずつ短く切って繰り返しても、そこで使われる表現はほとんど頭に残らないであろうことは想像できるかと思います。

 

表現への慣れが十分に養われていない状態で聞いたものを繰り返しても理解が浅いままになってしまいます。
「意味を理解しながら、シャドウイング『できる』」ようになるためには、黙読、音読、スクリプトを見ながらのリピーティング、繰り返し聞く等の作業を「意味を理解しながら『できる』」ようにまずしましょう。

 

そして理解におけるもう1つ大切なことは、1文1文の理解の積み上げだけでなく、話の流れを押さえること。
冒頭でメイントピックが提示されたり、生徒からの質問に対して教授が回答したり、抽象的な内容に対して具体例が続いたりと、話は常に論理的に展開しています。
1文1文の聞き取りにこだわってしまうと、話の展開を意識しながら聞くという視点が失われてしまうかもしれません。

 

あと、TPO(本試験の過去問)に取り組んで、十分に理解できていたかも気になります。
内容理解の難しい問題にサポートなしに取り組むと、分からないところがそこここに出てきて消化不良になってしまうかもしれません。

 

→ 失敗しやすいTOEFL対策 その4「ETS作成の問題・過去問に取り組むのがベストと考えている」

 

上記の記事内容は、現在Listeningコースを受講中の方へのご相談内容に対してより詳細に回答するために書きました。
またListening学習において同様の問題を抱えている方にも参考になれば。

 

コースの中で提示される様々な学習法を授業の中で実践しながら、これまでの学習になかったやり方を取り入れて、Listeningの学習方法を向上させてください。

 

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