「教材のDeltaはあまりよくないんじゃない?」に答えます

2019-01-08

年末にウェブトフルの受講生の方から以下のご相談をいただきました。

 

現在使用しているTOEFLの公式教材(青い本)が自分には難しく、このまま勉強するのに不安がある。TOEFL公式問題集(赤い本)も購入したため、こちらを勉強しようか、ウェブトフルを受講しようか迷っている。迷う理由としては、なぜそれが正解になるのか、というのが自分ではなんとなくまでしかわからないので、受講する価値があると思うが、デルタはあまり良くない参考書だとといううわさも聞くので躊躇している。ブログは読んだものの、TOEIC受験の経験から、公式問題集が一番良いと思ってしまう

 

以下、ご相談をいただいた際にお知らせいただいたこと。
(上の相談文面も含め、ご本人に掲載の承諾をいただいています)

 

TOEFL初受験の結果(2018年12月16日受験)
R 20, L 17, S 16, W 12, Total 65

TOEIC 860 (R 380, L 480) (2018年11月受験)
TOEIC S&W (S 150点, W 170点)(2017年12月受験)

これまでのTOEFL対策は、12/16の本試験の受験前の1週間ほどでOG問題を一通り解き、単語本に取り組んだだけ。
OGでは問題の正解・不正解の根拠を十分に確認できず。

 

ご質問をいただいた時点で、Speaking音声添削コースとWriting添削コースの受講を開始されたばかり。
その後、私がメールで回答し Reading、Listening Deltaコースにお申し込みいただいたのですが、「デルタはあまり良くない参考書だとといううわさ」に対して同じような心配をしている方もいるかもしれませんし、今後同様の質問をいただくかもしれないので、まとまった回答を書くことにします。

 

DeltaのTOEFL iBT教材は「あまりよくない」のか?

 

はっきり言って、「問題の質」は当然、Official Guide(青い本)の方が優れています。

 

まあ当然です。
OG(Official Guide)はTOEFL問題を作成しているETSが作った問題集ですし、その中には過去に本試験で出題されたであろうものも含まれています。

 

もっと言ってしまえば、問題の質においては、OGよりも後に出版されたOfficial Tests(赤い本、Vol. 1, 2)の方がより良いです。
OGの前半には本試験と若干傾向が異なる問題も含まれているからです。
(問題パッセージが短かったり、問題数が少なかったり)
とは言え、Official Testsには解説がないので OG → Official Tests Vol. 1 and/or 2 の順で進めた方がいいでしょう。

 

ということで、ご相談をいただいた方のように「TOEFL対策はOfficial Guideで行った方がいいのでは」と考える方がいるのも無理からぬこと。

 

ではなぜ「質が劣る」問題集をListening、Readingコースの教材として採用しているのか?

 

それは、TOEFL Listening、Reading「対策」として、DeltaのListening、Readingセクションの問題は優れているから。

 

試験への「準備段階」において、出題される試験とまったく同じ問題を解くのがよいとは限りません。

 

資格試験対策では、通常、本試験で問われる問題を単元別などに分類した上で、内容的にやや易しい問題に取り組み、パターン別の解答方法を習得していきながら、資格試験の難易度の問題に太刀打ちできるようになっていきます。
大学入試においても、例えば、高校1年生の人が「早稲田大学に入学したい!」と思ったとして、すぐに早稲田大学の過去入試問題に取り組んだりしないですよね。

 

物事を効果的に進めるには、ゴール到達に求められるいくつもの段階において自分がどこにいるのかの把握が大切です。

 

TOEFL対策を開始する際に、いきなりOGに取り組むなら、

 

「目標スコアまで数点上げればよいだけの英語力がもともと備わっている」
「OGに取り組んで、問題を解いているときは分かりにくかったり、不正解だったところを自分で見直して理解できるだけの英語力がある」

 

なら効果的に進められるでしょう。

 

ご相談いただいた方にとってはTOEICがそうであったと言えそうです。
ご自身の英語力とTOEIC本試験の問題の難易度があまり離れていなかったので、TOEICの公式問題集へ取り組んでも十分に消化吸収できた。
またTOEICの問題はTOEFLと比べるとかなり易しく、対策後ではあってもTOEIC 860が取れた方なら不正解だった問題に対して難なく正解の根拠を確認できたはず。問題集に簡易な解説があればなおさら。

 

それに対してTOEFLは、OGの解説を読んでも十分に納得できなかったり、パッセージを単語を調べた上で読んでも理解できないところがあったりするものです。
(TOEIC Readingで380くらいだと、TOEFLのReadingでは分からないところがあちこちあると思います)
よって、TOEICでは上手く行った学習法がそのままTOEFLには当てはまるわけではないのです。

 

その上、 OGのListening、Readingセクションでは問題のパターンが最初にいくらか説明されているものの、その後は本試験形式の演習問題が続くので、問題タイプ別の解法を身につけるのに、あまりよい構成になっていません。
また、そこで取り上げられる問題解法も私から見て十分なものではありません。

 
私が考える効果的なListening、Reading対策は、易しめのパターン別問題に多く取り組んで、解法を習得しながら、基盤となるListening力、Reading力を養成する。その後、OGやOfficial Tests(赤い本)を通して解法に磨きをかけつつ、Listening力、Reading力をさらに向上させていくやり方。

 

Deltaの大部分は、私が伝えたいListening、Readingセクションの解法に沿った構成であり、かつ問題の質も優れているため、Deltaから始め、OG → Official Testsへと移っていくのがListening、Reading対策としてベストと考えます。

 

しかし、現在発売されているDelta教材には足りないところも確かにあるので、Listening、Reading Deltaコースではともに問題を追加しています。
特にReadingはより本試験に近い難易度の問題をいくつも追加し、全18回のうち8回の授業で追加された問題に取り組んでいただいています。

 

「(特にOGと比べ)DeltaのListening、Reading問題は物足りない」のは確かです。
しかし全体的には優れた内容・構成であるため、不十分なところを追加問題で補いながら、本試験レベルの問題に効果的に取り組めるだけの実力を養成する使用教材としています。

 

DeltaのSpeaking、Writingセクションは、オリジナルで問題を提供したほうがよりよいコースになると判断したため、DeltaはSpeaking、Writingコースの教材として採用していません。

 

ということで、問題の質においてDeltaはOGやOfficial Testsに劣るものの、使い方によっては本試験レベルの問題に効果的に取り組めるだけの実力の養成に有用であると考えます。

 

Listeningセクションに関してではありますが、Delta教材に独学で取り組んだ場合とコース受講の違いについては以下をご一読ください。

 

「Listeningコース受講」と「教材独学」との違いについて。「Listening学習法」に関しても。(2014年10月22日)

 

また以下、今回の投稿と関連した記事です。

 

失敗しやすいTOEFL対策 その4「ETS作成の問題・過去問に取り組むのがベストと考えている」(2015年7月30日)

 

コメントをどうぞ

Eメールアドレスは公開されません。